40代なのに20歳や30歳に見える、という若返りではない。だけど明らかに若返る。
もともと美容に興味はない。それでも子どもを産んで、年齢を重ねて、見た目がどんどん変わってきて。35歳、鏡を見るのがしんどくなった――。そんな田房さんが、ぐるぐる悩んで、さまよって、「キレイ」を探す旅を綴ったコミックエッセイは、雑誌『ESSE』で大好評を博しました。
そんな旅を経て、ありのままの自分を受け入れられるようになってきていた田房さん。40代になり、メイクやファッションに興味を持ち、人生で初めて自分の顔が結構好き、と思えるようになってきた、そのきっかけは――

メイク動画で令和に感化される

この頃、外見に対する価値観がガラリと変わる出来事があった。

夏休みの頃、部屋で寝転んでポソポソと本音を話すぺえさんのYouTube動画で癒やされる日々を過ごしていた。ぺえさんはすっぴんは当たり前、メイクをしている様子を見せてくれるときもあるし、自分のすべてをさらけ出している。

その流れで渡辺直美さんのメイク動画を見たりした。

彼らはメイクしてるときの顔と、すっぴんで家にいる姿をそのまま配信する。

そしてメイクして変わっていく様子をそのまま見せてくれる。

私はずっと、メイクをしている限りすっぴんというのは人に見せてはいけないものなんだ、みたいな感覚があった。毎日職場に化粧をしてくる人は絶対にしてくるし、すっぴんみたいな感じの人はいつもすっぴん、っていうイメージ。