初めて髪を伸ばして知ったこと

安めぐみさん化計画で唯一持続できたのが「髪を伸ばす」だった。

私は小さい頃から肩より長く伸ばしたことがなかった。一度、高1のときに美容院に行くのがイヤで胸のあたりまで伸びたことがあった。ただ重たく伸びていたためか写真を見て「私は長い髪が似合わない」と思うようになった。

それ以降、特に子どもを産んでからは前髪も後ろ髪も限界まで短く切っちゃっていた。

でも、安めぐみさん化計画のとき、安さんは前髪も長めなので、前髪も同時に伸ばしてみた。

それが結果的によかった。私の母は若い頃から今もずっと、肩より短いふわふわヘアで前髪もあるタイプの髪型。私も伸ばしていると必ずその髪型になる時期がある。鏡を見ると、母を彷彿とし「ひいいい!!!」ってなるのでそのたび切っていた、っていうのもあったと思う。

だけど母より長く髪を伸ばしたことにより「誰?」感が出て、「母にそっくり」から抜け出せて、髪の長い自分がしっくりくるようになった。

ほぼ初めて意識的に伸ばしてみて、首の周りに髪があるというのもすごくいいなと思った。守られてる、包まれている感じ。あたたかい。

髪の毛に対して今まで「髪型」という外側からのことしか思ったことなかったけど、自分の体の一部ということを感じることができて、そこから自分への愛しさを感じることができるということを知った。

 

※本稿は、『いつになったらキレイになるの?~私のぐるぐる美容道』(扶桑社)の一部を再編集したものです。


いつになったらキレイになるの?~私のぐるぐる美容道』(著:田房永子/扶桑社)

35歳、鏡を見るのがしんどくなった。子どもを生んで、年齢を重ねて、見た目がどんどん変わってきた。
「キレイにならなきゃ! 」
一念発起して挑んだ、断食道場、加圧トレーニング、エステ、パーソナルカラー診断etc.…。ぐるぐる悩んで、さまよって、「キレイ」を探す旅のゴールはどこに?

「ESSE」で大好評を博したコミックエッセイに、その後のエピソードを、イラストコラムとして大幅加筆。清水ミチコさんとのスペシャル対談も収録。