舞台は広くてたくさんの人がいて、お客さんもたくさんいて、全ての人の視線を集める時間だって多分ほとんどなくて、「自分を見ていない人」が視界に入る時間も絶対あって、そんな中でキラキラし続ける人たちに、目や拍手だけじゃ伝えられない分も「あなたは最高です。知ってますか?」と伝えたくなるのかもしれない。もちろん目や拍手で伝わることもたくさんあって、でもたぶん、もらえるものが多すぎるからこそ「何一つ伝えられなかった」と思ってしまうのかもなぁ。全て伝えたところでそれがその人の力になるのかはわからないけど、それでもたった一人によって一瞬で全てが明るく思えた自分が、客席で数千分の1の存在として、感じられたきらめきの一粒さえも相手に見せることができていないのが不甲斐なくてたまらなくて、いてもたってもいられなくて、ペンを執っているのだろう。鏡になってあなたの素晴らしさをあなたにこそ見てもらいたい。私が未来の全てが一気に輝いて見えたときのような、そんなきらめきであなたの視界も埋め尽くされてほしい。その人がくれた希望としか言えない美しいものが全て、伝えられたらいいのにって思うのです。

 ファンが見る希望と、その人自身が必要とする希望はきっと全く違う形をしているだろう、伝えたところで糧になるのかもわからない。それでも、伝えたくなる。伝えられないなんてそんなことがあってたまるかと思う、その人のためになるからとかそんなことは関係なく、私にとってその人のくれた光は大きすぎて眩しすぎて、もらいっぱなしだなんてありえないと思えてならないのだ。相手が喜ぶのかはわからないが、それでも私は「好き」って言わなくちゃいけないとそれを浴びて思っている。絶対、私が得た勇気以上のものを、それをくれた人には常に得ていてほしいと願ってしまいます。私がその勇気をこしらえることができなくても、別の誰かの言葉とか存在や約束がきっかけでも、それはもうなんでもいい。ただ自分よりずっと幸福でいてほしいのだろう。