悪かったな! 普通の親じゃなくて

「家賃が浮き、光熱費や食費なども浮き、洗濯や掃除もついでにしてもらって、あんたにとってはすべてに得かもしれないけど、私にとっては金銭的にも精神的にも身体的にもすべて負担増。何ひとついいことないから断固却下だ」

すると、「普通、親って喜ぶんじゃないの?」と言う。悪かったな! 普通の親じゃなくて。

もちろん、親として子が困っている時に、自分の快適さの追求のために見捨てていいのか……という迷いはある。

本当に助けを求めているのなら、親が地獄から救う一本の糸になろうと覚悟はしている。しかし、今は本当にその時なのか? 違うだろう。単なる甘えと見た。

失望と不満の表情を浮かべる息子に、家賃がきついほど採算の取れない仕事の方こそ見直すべきで、親の元に転がり込むことで家賃を浮かせて帳尻を合わせるのは、出来ていないことを出来ていると錯覚させることに他ならない。

見直すべきは自分の住む場所ではなく、自分の仕事の方ではないのかと縷々(るる)説明したら、納得して帰って行った。