実朝は鎌倉・由比ヶ浜に自ら宋に渡るべく船を造成させていましたが――(写真提供:Photo AC)

 

小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る武士たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(総合、日曜午後8時ほか)。第38回「時を継ぐ者」では、三浦義村に命じて源実朝を屋敷へと連れ込み、鎌倉殿の座を娘婿・平賀朝雅へ譲るように迫る北条時政とりく。対する義時は泰時、時房、八田知家らを引き連れ、時政の屋敷を包囲。攻め込む機会を慎重に見定め…といった内容が展開しました。

一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説するのが本連載。第8回は「源実朝」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

源実朝と聞いてイメージすること

北条”パパ”時政が退いて、いよいよドラマも終盤です。

史実上の残された大事件というと、やはり源実朝の暗殺、承久の乱、義時の死あたりになるでしょうか。今回は、ドラマでは描かれなさそうな実朝の人物像について少し触れてみたいと思います。

みなさんは源実朝というと、どんなイメージをおもちですか?

和歌の名手。悲劇の暗殺劇。そのあたりから、「繊細」「孤独」のような言葉が浮かんでくるんじゃないでしょうか。