胃の炎症は胃がんに

おもにピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)によって起こる「慢性胃炎」は、その名の通り慢性炎症による病気のひとつです。

慢性炎症が老化や病気の原因に!(イラスト:『名医が教える 炎症ゼロ習慣』より)

多くの場合、ピロリ菌は子どものころに感染すると言われていますが、感染すると多くの人は胃炎を発症します。けれども、そのとき自覚症状がある人はほとんどいません。

胃炎というと、胃がキリキリ痛んだり、胸焼けや吐き気が起きたりといった症状を思いうかべるかもしれませんが、それは暴飲暴食やアルコールのとりすぎなどによって起こる急性胃炎(急性炎症)です。

ピロリ菌による慢性胃炎の場合は、胃もたれやむかつきなどの症状が出ることもありますが、強くなかったり、人によっては症状がないこともあるのです。

自覚症状がないなどの理由で、慢性胃炎の状態を放っておくと、慢性肝炎と同じように胃の粘膜の組織が変化して、うすくやせて萎縮する「萎縮性胃炎」になることがあります。さらに、胃粘膜の萎縮が進むと、そこががん化して胃がんになる人がいることもわかっています。