自分では絶対に買えないものをプレゼントしていただいた。そのことももちろん嬉しかった。しかし何より、贈り主の「心」に打たれていた。

長文の手紙から、私がお会いしたことのない、顔も知らないその方の人柄が伝わってきた。一つひとつに添えられている「なぜそれを選んだか」のメッセージを読むうち、自然と涙が溢れていた。その方の心に触れたのだ。

 

プレゼントをもらうことも、あげることも好きになった。
贈り物って、素敵なものだな、と思えるようになった。

 

仕事で遠くへ行くことになれば、贈る相手のことを思い浮かべながら、お土産を買うようになった。予算内に収めることだけを考える苦しい消去法ではない。選ぶ行為が、相手を想う行為になった。

贈り物をいただく時の気持ちも変化した。見合ったものを返さなくてはならないと焦るのではない。そうではなく、まずはありがとう。素直に受け取っていいのだ。そんな風に思えるようになった。

 

人は変わっていける。
人の厚意を感謝して受け取る。
人に心を贈る。

 

与えられた経験が、「人に与える喜び」を私に教えてくれた。

『死にそうだけど生きてます』(ヒオカ:著/CCCメディアハウス)