成婚される方は、出会いやコミュニケーションを通じて、自分の結婚観が変わり、より具体的な結婚観が見え、希望条件がどんどんブラッシュアップされ、変わっていきます。

例えば、ある42歳の女性は、「相手の年齢は3歳上まで。45歳以上はオジサンだから嫌です」とおっしゃっていました。しかし、ダンディで素敵な50歳男性がいらっしゃったので、ぜひ会っていただきたくて度々すすめたところ、「そんなに言うなら」とお見合いされたのです。

すると意外にも若々しくて、むしろ大好きになってしまった、ということがありました。このように自分の考えていた条件に凝り固まらない方こそ、大きなチャンスがあるんです。

条件の棚卸しは妥協ではない

自身でセルフ婚活をしている方も、条件を広げると、そのぶん対象者の数が増えますから、条件以外の良い点がある方や相性の良い方が見つかり、結果的に成婚へと進みやすくなります。

いつまでたっても最初に掲げた条件に頑固なままですと、どんなに活動してもズレたまま。高望みせず柔軟に条件を棚卸しすることは、自分でできる努力のひとつなのです。

私の出演しているラジオ番組「植草美幸の恋愛・結婚相談」(YouTube配信あり)で圧倒的に多いのが「私は高望みでしょうか?」という内容です。すでに婚活で苦戦している人もいれば、これからこんな条件で婚活したいけれど高望みかどうか知っておきたいという人もいます。

つまり、一般的なアドバイザーはわざわざ高望みを指摘してくれないケースも多く、指摘されても聞く耳を持てない人もいて、結局はお見合いやデートが組めなかったり、フラれたりする経験から、「高望みかも?」と気づいていくしかないというのが現状なのです。

『結婚の技術』(著:植草 美幸/中央公論新社)