自立した生活こそが健康法
そして自称「手抜き料理の名人」である私にしてみると、野菜の始末さえできていれば、料理そのものはほんとうに簡単なものである。
昔、引退したらゆっくり遊んで暮らすのがいい、と言われた時代であったけれど、私の実感ではとんでもない話だ。
「お客さま扱い」が基本の老人ホームの生活、病院の入院、すべて高齢者を急速に認知症にさせる要素だと私は思っている。
要は自分で自立した生活をできるだけ続けることが、人間の暮らしの基本であり、健康法なのだ。
※本稿は、『新装・改訂 六十歳からの人生』(興陽館)の一部を再編集したものです。
『新装・改訂 六十歳からの人生』(著:曽野綾子/興陽館)
曽野綾子さんももう九十一歳に。六十代、七十代、八十代、九十代と老年期、移り変わる体調、暮らし、人づき合いへの対処法とは。六十歳以後、人はいかに生きたらいいのか。曽野綾子さんが伝える六十歳からの生き方。