当時、30代前半の曽野さん。1963年9月16日撮影。本社写真部
人生100年時代と言われる昨今、1931年生まれの作家、曽野綾子さんも現在91歳となりました。60代、70代、80代、90代と年齢を重ねるにあたって変わる体調や暮らし、人づき合いへの対処法についてさまざまな考えを巡らせてきた曽野さんですが、特に「60歳に差し掛かったら、そこからいかに生きるか」をあらためて考えるべきと言います。一方、高齢になって健康を維持するには、自立した生活を送れるかが重要と考えているそうで――。

ぶり大根をお菓子代わりに

私は毎朝、食事が終わると、昼と夜のおかずを決める。

冷凍の食材をとかす必要がある場合が多いからなのだが、昼には我が家では小型の「従業員食堂」が開かれて秘書もいっしょに食事をするし、夜は夫と二人の少人数で、あまり手をかけたくないからである。

しかし私は昔から、どうしても家で作ったご飯を食べなければおいしくない、という先入観を持っていた。たまにはコンビニの食べ物の便利さに感動もしているが、やはり基本は我が家で作ったおかずである。ぶり大根など煮ると、たまたま仕事で来られた方にも、お菓子代わりに出している。

ほんとうは、お菓子などを買いに行くのが面倒になってきたからである。