もやしのひげ根と夫

最近私は朝ご飯の後で、すぐに野菜の始末をすることにした。

『新装・改訂 六十歳からの人生』著:曽野綾子/興陽館

お昼にもやしと豚肉の炒めものを作ろうと決めたら、朝飯の後でもやしのひげ根を夫にも手伝わせて取るのである。

夫は90歳近くなるまで、もやしのひげ根など取ったことはなかったろう。

ひげ根については、友人たちの間でも賛否両論があり、私は面倒くさいからそのまま炒める、という口だったが、週末だけわが家に手伝いに来てくれる92歳の婦人は、ひげ根は取るのと取らないのでは、味に雲泥の差がつくという。