人は、死ぬ瞬間まで成長できる存在

共通するのは「笑顔」「感謝」「希望」を患者さんから感じることです。

うつ病を克服した男性が、「病気のおかげでいまの自分がある」とおっしゃっていたように、病気になったという現実は変えられませんが、それがあったから自分が変われたとか、感謝ができるようになったとか、いままで気づかなかった大切なことが見えてくるようになったなど、病気を受け入れるなかで意識の変化を実感される方は少なくありません。

『また、あちらで会いましょう』(著:四宮敏章/かんき出版)

ご本人はそれを「成長」などとは思っていませんが、日々患者さんのそばで心の機微に触れている私には、まぎれもない「成長」だと感じています。

人は、死ぬ瞬間まで成長できる存在なのだと、死にゆく患者さんたちから、いつも私は教えてもらっています。