曽我物語での北条時政。時政は曽我時致の烏帽子親だった(『曽我物語図会―北条時政・十郎祐成・五郎時宗』(画:広重)。国立国会図書館データベース

12月に最終回を迎えた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。平安末から鎌倉前期を舞台に、小栗旬さん演じる北条義時、大泉洋さん演じる源頼朝ら、権力の座を巡る男たち女たちの駆け引きが三谷幸喜さんの脚本で巧みに描かれ、人気を博した。その『鎌倉殿の13人』の総集編が12月29日にNHKにて放送される。そこで歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生が気になるあのシーンをプレイバック、解説した本連載を再配信する。

******
今回は「北条時政」について。なぜ名門でもない地方の一役人が幕府の中核を担う執権にまでのぼりつめることができたのか? この記事を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!

坂東彌十郎さん演じる北条時政について

今回は北条時政について、述べていきたいと思います。

しかし坂東彌十郎さん、実に魅力的ですよねえ。毎回その演技に圧倒されます。

あくまでテレビドラマとしては、これまであまりお見かけした覚えがなかったのですが、こうした名優がいらっしゃるのもまさに伝統の歌舞伎界、といったところなのでしょうか。あらためて今回の大河ドラマでの役どころを見るに、義時・政子と肩を並べる、もう一人の主人公と言えるかもしれません。

そういえば彌十郎さん、千代田区立麹町小学校に通われていたんですね。ぼくの先輩なんだな。四つ年上ということは、運動会や遊び時間に校庭でお見かけしたことがあるのか。ふむふむ。

閑話休題。さて、北条時政という武士について、ぼくは長くイメージが持てませんでした。それが最近やっと、ああ、こんな人なんじゃないかな、と理解できるようになったので、書いていきましょう。