優秀なビジネスパーソンとして成功したのでは
北条氏はくり返しますが、武士としては大きな家ではない。なので他家と争う際には堂々と武力で、というわけにはいかない。まともに戦ったら、コロッと負ける。
だから悪巧みをめぐらす。汚い手を使う。良くいうと、頭で勝負するわけです。
そうやって、ライバルを次々に倒していった。腕っぷしはダメだけど知恵がある。上昇志向が強く、いざというときには腹をくくれる。
バクチの才があるんですね。近現代なら、優秀なビジネスパーソンとして成功することでしょう。
歴史の史実からすると、時政とはそういった人物だったとぼくは思っています。ですから、陰険・狡猾なところをあまり見せない、「家族が一番」なマイホームパパの時政、という人物像には若干の違和感を覚えました。それでは、苛酷な競争に生き残れなかったのでは、と。
でも、そこもドラマですよね。三谷さんの優れた脚本、そして板東さんのすばらしい役作りが、違和感をうめてくれている。史実の時政も、板東・時政みたいに多面性をもった人に違いない。敵に厳しく、家族に優しく、ですね。