普及する大麻研究や教育

そんな時代の流れを受けて、大麻の科学やビジネスを教える大学のプログラムが全米のあちこちで設立され始めている。コースを終えたという証の修了書を発行するだけのプログラムもあれば、学士号や修士号をとれるプログラムもある。

『世界のヘンな研究 世界のトンデモ学問19選』 (著:五十嵐杏南/中央公論新社)

その中でも、初めて大麻について重点的に学ぶ専攻を設立したのが北ミシガン州立大学だ。

ミシガン州では2008年に大麻の医療向け使用が認められ、2018年に娯楽向け使用が認められた。このプログラムでは、今急速に成長する大麻業界の人材を育成するべく、2017年から授業を行っている。教育の一環として、大麻の植物も育てている。

この専攻の発案者は、北ミシガン州立大学で化学を教えるブランドン・キャンフィールド博士。

「今でも、この学部を設立できたことに驚いています。設立してから数年が経ちますが、ラボの前を通り過ぎるたびに大麻の匂いがプンプン漂ってきて、毎回実感しては驚いています。大麻の花が咲いている時なんて、建物全体が大麻の匂いで満ちているくらいです」と語る。

アメリカ各地での法改正に伴い、今まさに大麻の研究や教育が普及しようとしている。