重圧を感謝に変えてこの2年間取り組んできた

優勝賜杯などを授与された後の土俵下でのNHKの三輪洋雄アナウンサーのインタビューに対する答えが、正座して聞きたくなるほど素晴らしかった。

一人大関の重圧、最近の平幕力士の優勝に対する大関の重圧などの質問に対し、「誰でも大関になれるわけではないので、この重圧を感謝に変えてこの2年間取り組んできた」、「相撲は1日の勝負ではなくて15日間の勝負なので、いかに気持ちを切らさずに、いかに気持ちを平行にもっていくかで1日1日力を出した」、「もっと相撲に謙虚になって頑張っていきたい」などと答えた。

貴景勝は、結婚して初めての優勝であること、義理の父親である北天佑(元大関)の優勝回数を超えたことも嬉しいと語っていた。

琴勝峰は23歳。14日目は埼玉栄高校の6学年先輩で、突き押しの得意な前頭筆頭・大栄翔を寄り切って勝っている。この高校の出身力士は恐ろしい。

先場所優勝の前頭3枚目・阿炎、そして大関への期待がもたれている関脇の若隆景と豊昇龍が、優勝争いに参加していないのが寂しい。阿炎は千秋楽にやっと勝ち越した。若隆景は兄の小結・若元春とともに14日目に同時に勝ち越し、千秋楽も同時に勝って9勝6敗。

豊昇龍は、9日目に左足首を捻挫し、根性で土俵に上がった。千秋楽では、対戦相手の前頭8枚目・阿武咲が髷をつかんだことによる反則で、豊昇龍は勝ち越すことができた。

関脇・正代は、10勝すれば大関に戻れたものの6勝9敗と負け越し。昨年の初場所に優勝して大関となった御嶽海は、大関を陥落して今場所は前頭2枚目となったが7勝8敗で負け越した。一緒に大関だった貴景勝は優勝し、二人は陥落。勝負の世界は厳しい。