「ピノキオ」をテーマに書いた脚本
第三の転機は、意外なことに「コロナ禍」とか!
――TPTに入ってから今日まで、もう30年近いんですけど、僕、舞台に出なかった年が一度もなかったんですよ。でも、2020年にコロナ禍が始まって、芝居が中止になったり、公演自体が激減しました。それで時間ができたので、芝居を一本書きました。
実を言うと脚本は何十年も前から書いていて、たとえば『銭形平次』は僕が八五郎で出てた一年のうち、一本、自分の本を採用していただきました。
他にも映画シナリオとかは書いてますが、今度はまともな芝居の台本をと思って、「ピノキオ」を題材にしたのを書きました。
ピノキオって母親がいないんですよ。親はゼペットじいさんしかいない。実は昔、イタリアのテレビで、ピノキオが母と慕う女性をジーナ・ロロブリジーダが演じたという噂を聞いたんです。
「母不在のピノキオ」というのをテーマにでっち上げてしまいました。自分が出演するという前提で書きましたけど、上演はそう簡単には実現できません。どこかのプロデューサーが声を掛けてくれるまで、ゆっくり寝かせます。
コロナ禍転じて『ピノキオ』となりますように、待ってます。