「なりたくない」と考えていた自分に近づいているのを恐怖している方に向けた弘兼さんのアドバイスとは?(写真はイメージ。写真提供:PhotoAC)
『課長島耕作』シリーズや『黄昏流星群』などの作品で知られる漫画家・弘兼憲史さん。現在70代になった弘兼さんは「70歳からものびしろはある。セカンドキャリアをもっと自由に、楽に愉しもう」と提案しています。一方、歳を重ねるにつれて、かつて「なりたくない」と考えていた自分に近づいているのを実感する方もいるのでは。そんな人に向けた弘兼さんのアドバイスとは?

「なりたくない自分」に近づいて

「あんなオジサンにはなりたくないな」

歳をとると、10代、20代のころは、自分とはまったく無縁だと思っていたのに、「なりたくない自分」に近づいていることを思い知ることがあります。

とくに50歳を過ぎるとその頻度は増していきます。もっとも感じるのは、体力面の衰えです。心肺機能、筋力が低下し、持久力、瞬発力が低下します。

たとえば階段の上り下りがつらくなる、なんでもないところでつまずく、重いものが持てなくなる、とっさの動きができないなど、数え上げたらきりがありません。さらに気候の変化への順応という点でも、衰えが生じます。とくにちょっとした寒さにも敏感になります。

「人込みの動きに遅れる」「ゆっくりと階段を上る」「真夏でも長袖を着る」といった、20代のころは「なりたくない」はずだった中高年に自分がなっているのです。