自分で目標を設定し、目標に向けて楽しく努力しているとき、人は生き生きと輝けます(提供:photoAC)
2023年現在、「団塊の世代」が75歳を迎え始めていますが、医師で多くの著書を持つ和田秀樹さんいわく、「若いうちは認知症よりうつ病になる人の方が多いが、75歳を境に認知症になる人の数がぐっと増える」とのこと。70代以降にやってくる「老い」を遅らせるために避けるべきことの一つが、“人生のピークは過ぎた”と考えてしまうことらしく――。

人生は下り坂だと思うのをやめる

「75歳になったら、もう人生にはいいことなんてない」

「この先は、ゆっくり下り坂を歩いていくだけだ」

そんなふうに考えていませんか。でも、人は死ぬまでピークを迎える可能性を秘めています。

人生100年時代を幸せに全うするためには、「人生のピークをできるだけ先に設定する」という発想が重要となります。

何を「ピーク」に設定するかは人それぞれです。確実にいえるのは、目標を設定し、それを実現したとき、人は人生のピークを迎えているということです。

漠然と生きていると、人生の目標は達成できません。大切なのは、自分が残りの人生で何を為し遂げたいかを考えることです。

目標は「90歳まで現役で仕事を続ける」「作家デビューする」「世界一周旅行をする」などなんでもかまいません。また、目標は一つとは限りません。私は映画監督としても、物書きとしても、精神科医としても、家庭人、社会人としてもずっと続けていきたいという目標を持って生きています。

自分で目標を設定し、目標に向けて楽しく努力しているとき、人は生き生きと輝けます。「今さら目標なんて」「ダメに決まっている」などと考えずに、トライしてみましょう。元気な75歳にはまだまだ時間が残されています。