ささいな目標でも実現することが大事

目標は壮大なものでなくても大丈夫です。「毎日読書を続ける」「自分の足で散歩を続ける」など、ささいなことであっても、目標を立てて実現させる行為を繰り返していれば、人生のピークはどんどん後ろにずれていきます。自分の人生を常に上書きし、ベスト記録を更新していくようなイメージでしょうか。

退屈な余生を当てもなく過ごすか、人生のピークを先に持っていけるか。すべては自分の考え方で決まります。ぜひ、ピークを目指す楽しい人生を送ってください。

 

『75歳からやめて幸せになること 一気に老ける人、日ごとに若々しくなる人の差』(著:和田 秀樹/大和書房)

「意欲の老化」をやめる

人の老化は、知力や体力の衰えではなく、実は意欲の衰えから始まります。

「もの忘れが激しくなった」「昔の俳優の名前が思い出せない」「暗算で答えを出すのに時間がかかるようになった」というのが知力の老化であり、「階段を上るとすぐに疲れる」「歩くスピードが遅くなった」などが体力の老化です。

これに対して、意欲の老化は「これをやってみよう!」「がんばろう」というモチベーションが低下する状態を指します。

高齢者の多くは、知力や体力の衰えを恐れています。特に記憶力の衰えを怖がる傾向があります。もの忘れが続くと「認知症かもしれない」などと不安になり、せっせと脳トレを行ったりします。

しかし、本当に恐れるべきは記憶の衰えよりも「意欲の衰え」です。人間の体は、知力や体力を司る器官よりも、意欲に関わる脳の前頭葉のほうが先行して衰えます。

前頭葉の働きによって、私たちは物事にチャレンジしたり、上手に感情を切り替えたりしているわけですが、それができにくくなるわけです。