パンのいちばんおいしいところ

食パンを買って帰ると、私は食パンのコックさんの帽子の形でコンガリ焼けている頭のところをパカッとはがして食べる。かたくて香ばしくておいしい。

『エプロン手帖』(著:平野レミ/ポプラ社)

いちばんおいしいところを食べるのは買ってくる私の特権だった。あとの部分をみんながトーストにする。

パンのかたく焼けたところが好きな私は、フランスパンというものを初めて知ったときは大喜びした。全身が私の好きなようにできているのだから。

全身が私の好きなようにできているフランスパンを初めて知ったときは大喜びした(イラスト:舟橋全二/『エプロン手帖』より)

そのかたいフランスパンも、時間がたつと、食べられないかたさになってしまう。そうなると普通はパン粉にするのだけれど、おいしい食べ方もある。