小林先生いわく、落ち込んだときはとにかく散歩に出るといいそうで――(写真提供:Photo AC)
コロナ禍を経て、じんわり続く停滞感や孤独感が私たちの心身を知らない間にむしばんでいます。自律神経研究の名医であり、順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは、もやもや・イライラを上手にリセットするには「大胆に、意識的にリセットすること」「戻すのではなく、新たに始めること」が必要だといいます。その小林先生いわく、落ち込んでいるときにただぼんやり過ごしてしまうのは、自律神経的に一番よくない過ごし方だそうで――。

落ち込んでいるときほど「無駄な時間」を過ごさない

誰にでも落ち込むことはあります。

私はよく「小林先生でも落ち込むことがあるんですか」と聞かれますが、「そんなの、いつもそうですよ」と答えています。

実際、落ち込むことはしょっちゅうありますし、気分が沈んでやる気が出ないことなんて日常茶飯事です。

ただ、私がいつも思っているのは「落ち込んでいるときほど、無駄な時間を過ごさない」。

ここでいう「無駄な時間」とは「何もしない」ことです。

落ち込んでいると、ついぼんやり過ごしてしまいがちになります。

落ち込む原因となったことをくよくよ、ぐるぐる考えたり、何もやる気がせず、ただぼんやりとしてしまうのです。