奇跡のような時間を過ごして

Aさんは、ふたくち、シャンパンを含んで、満足げにつぶやいたそうです。

「やっぱり、うまいなあ……」

それから10日後。

Aさんは、家族に見守られながら、静かに旅立っていかれました。

この素敵な、奇跡のような時間を、ご家族は一生、忘れないことでしょう。

最後まで安らかに過ごす時間をあきらめることは、全然ないんです。

そのためのお手伝いを、どうか、私たち医療者にさせて下さいね。

 

※本稿は、『緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡』(双葉社)の一部を再編集したものです。

【関連記事】
がんになった緩和ケア医「転移、再発…半年先すらイメージできないから、今の自分を楽しませる!物価高は続くけど大奮発。大好きな中日の試合を、4人掛けボックスシートをとって夫婦で観戦」
緩和ケアの専門医が、肺がんで余命2年の宣告。小林麻央さんのブログに勇気をもらって
医師・石蔵文信 前立腺がんで余命3年と悟った後にテニスの日を増やし、ゴルフを始めて。私が考えた心穏やかに死を迎えるために必要な3つの条件とは

緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡』(著:大橋 洋平/双葉社)

10万人に1人の稀少がん・ジストを患いながらも、”心の免疫力が上がる言葉”を支えに生きる緩和ケア医・大橋洋平先生。著書第4弾となる本書のテーマは「奇跡」。肝臓転移が判明した日を1日目として数える「足し算命」がついに1000日を突破した背景とは? そして見出した”生きる奇跡”とは?読むだけで胸の痛みがスッと消える「心の抗がん剤」。