「未来の自分のために何かをガマンするより、今の自分が喜ぶことをするほうが、ずーっと気ぃ楽です」(撮影:花井知之)
2018年の初夏に突然、10万人に1人の稀少がん・ジスト(消化管間質腫瘍、消化管の壁にできる悪性腫瘍の一種)と診断された緩和ケア医の大橋洋平さん。その後手術と抗がん剤により、緩和ケア医としての仕事に復帰しましたが、転移が発覚。今も闘病生活を続ける大橋さんが語る言葉には、今日を生きる力が湧いてきます。がん発覚から5年目を目前にした大橋さんは、今の自分を楽しませようと、中日ドラゴンズの無料ファンサイトに会員登録したそうで――。

じわじわフトコロに響いている

「まーた、上がっとるわ」

ヨメさんとスーパーに買い出しに行くたびに、ためいきが漏れます。

戦争、干ばつ、急激な円安──物価上昇に歯止めがかからないなか、私の必需品のひとつである個包装の袋詰めチョコやクッキーも値段が高くなっています。

「ラッキー! 値段据え置きや」

と喜んだのも束の間、袋を開けると明らかに量が減っていたりして、ガックリすることもしばしば。

たった数個の違いであっても、積もればじわじわフトコロに響いてきます。

特に、私のように治療費が自己負担で月額10 万円を超える、がん患者にとっては。