「この歳まで三味線を弾いていられて本当に幸せだ。おまけに、こんなかわいい弟子もいてくれて。」(祐子さん)

祐子 それもこれも、あんたの師匠だった(港家)小柳(こりゅう)さんが亡くなったからね。もう何年になるかな。

小そめ 2018年ですから、5年前です。私はもともとちんどん屋。浪曲師との二足のわらじを履くようになったのは、ラジオ番組の『浪曲十八番』を聴いて浪曲が面白いと思うようになったからです。寄席に通い出して、うちの師匠を知りました。

祐子 小柳さんは私の6つ下。おとなしい人だったけど、浪曲師としてはそりゃあ力があった。

小そめ そうですね。プログラムで名前を見ても、男か女かわからない。そのうち小さいおばあさんが出てきたなあと思ったら、声も節も迫力がものすごくて、夢中になってしまって。人生でこんなに感動することがあるんだって衝撃を受けて、一瞬で師匠のファンになりました。高座が終わるときには寂しいと思ったほどです。

祐子 芸はうまかったよ。あの人の三味線を弾いて、知り合ったんだから。以来、私の親友だし、大事な師匠でもあったね。

小そめ 小柳師匠とお近づきになりたいあまり、私はある会の打ち上げに参加して、おそるおそる「浪曲、教えていただけたりしませんかね」と話しかけたんです。そしたら隣に座ってたのが祐子師匠。突然、「あんた、浪曲師になんのかい?」って。

祐子 そんなこと言ったかな。もうなんにも覚えてない。(笑)