スマホに急かされ毎日5000歩
私は仕事が好きで、仕事さえしていればご機嫌なの。なぜかというと、役者はフィクションの世界にいられるから。ひとたび作品の世界に入ったら、実生活なんてどうでもいい、私自身もどうでもいい。別人として人生を生きることができる。ホントに私、いい職業を選んだなあと思います。
ありがたいことに、私の居場所をつくってくださる方がまだまだいらっしゃる。しかも、高齢社会になったおかげで、高齢者の役がどんどん増えていますしね(笑)。こんな幸せは、ちょっとないと思う。だから、この仕事を少しでも長く続けられるよう頑張っています。
頑張るといっても、私のすべきことはそんなにたくさんあるわけではありません。どうにもできないことは頑張らないことにしています。たとえば、女優の仕事は《見てくれ》が大事みたいに思われているけど、もう仕方がないですよ。こんなに年を取っちゃったんだから。衰えて当然、私に責任はない! という気持ちでいます。
私の責任においてやらなくてはいけないのが、動ける体であり続けること。もはや全力で走れとか、水の中に飛び込めなんてことは誰からも求められません。立つ、座る、歩く、これだけできればなんとかなる。だから私が責任を持つのもここまで。
というわけで、体のために続けているのは、1日5000歩を目標に、毎日歩くことだけです。以前すごく暑い日が続いたときに少し怠けたら、みるみる足が弱ってしまった。それで、自分をサボらせないためにスマホアプリを使っています。