食が生活のパフォーマンスを上げる!

近年アスリートの世界では、食事を整えることによって記録を伸ばそうという考え方が主流になってきています。ベジタリアンのアスリートもたくさんいます。

それはなぜかというと、無理なトレーニングを繰り返すよりは、ほどよいトレーニングと、かつそのほどよいトレーニングの中でも最もパフォーマンスが上がるような食事というバランスを取るほうが効果的だからです。

私はアスリートではありませんので、自分のパフォーマンスを測るのは自分の原稿や講演がどのくらい上手にできたかということです。プラントベース・ホールフード(※)に替えたところ、睡眠が深くなったのはもちろんのこと、消化に体力を使わなくなったのでその分の体力を仕事に投入できるようになりました。

※プラントベース・ホールフード:食べるものは植物性食品を中心にし、食品に過度な加工をしない。ヴィーガン。

仕事に自分の体力が投入できるということは、平たく言うといつもやる気に溢れているということになります。

そして私にとって自分の生産性が高いかどうかのバロメーターは、あまり自分が頭を使わなくていいものばかりやりたいと思うのか、それとも自分の知力や体力を使ってもいろいろと環境を改善したいと思うのかどうかです。

昨日と同じことをただこなすだけであれば、実はこれまで通りの加工食品を中心とした食事でも可能は可能です。しかしそれだと同じところをぐるぐると回るだけですから、私たちの生産性そのものは大して上がらないのに対し、社会の生産性はどんどん上がっていきますので、比較すると私たちが社会からどんどん置いていかれることになります。

私たちがいわゆる「スーパー競争社会」とか「スーパー資本主義」と言われている世界で生き残るためには、競争力が必要です。そしてその競争力を養うのは絶え間ない革新と努力になります。その絶え間ない革新と努力を生み出すもとが食事であり、食がエンジンになるのです。

また、毎日自分が食べるものを自分で作ると、社会に対して向き合う気力が出てきます。環境問題や動物保護の問題、途上国と先進国の格差の問題、社会規制や企業の規制の問題など自分の食を起点に社会に対する見方が全く変わってくるのです。

 

※本稿は、『増補改訂版 勝間式食事ハック』(著:勝間和代/宝島社)の一部を再編集したものです。


増補改訂版 勝間式食事ハック』(著:勝間和代/宝島社)

経済評論家の勝間和代さんが忙しい現代人の生活に合った、栄養もおいしさも抜群の「食事ハック」を紹介する『勝間式 食事ハック』の増補改訂版。
増補改訂版では、勝間さんが厳選した最新の知見による食事ハックを追加収録。さらに勝間さんならではの食事術を実践できる、プリントして使えるトライノート&食事術のおススメ本も大紹介。