(提供:『すみれの花、また咲く頃』)

コロナ禍が訪れても諦めないで

こうして2020年の2月末、中原さんは単身、台湾へ渡った。折しも、その直後に世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大した。極めて特別な状況の毎日を海外で過ごすことになり、今しか感じ取れないこと、学べないことがあるはずだと思ったという。それから大学で語学を学びつつ、精力的に様々なオーディションを受けた。

実は仕事の幅を広げるため、中原さんは宝塚を卒業した直後から中国語のレッスンを始めていた。継続していたレッスンが役立つことになったが、台湾で生活して仕事をするには、より高い語学力が必要だった。

「大学でみんなが話していることは6割くらい、分からなかった」と振り返る。それでも、必死で勉強を続ける日々は充実していた。

半年間の留学を予定していたが、台湾の学校へ通い始めると「もっと滞在して学びたい」とすぐ考えを改めた。

「でも、留学をもう少し続けようと思った矢先に、予想外のことが起きました」

新型コロナウイルスの影響を受け、なんと中原さんが所属する事務所がなくなってしまった。それでも、彼女は少しも力を失わなかった。

「これから、もっと良い出会いに恵まれる」と考えて、諦めることなくモデルとしての活動を続けた結果、CMやテレビ出演などの仕事も増えてきたという。