デイサービスに行かないと、入所が早くなる
介護者が1~2人しかいないご家庭の場合、早い段階で患者さんの入所を検討したほうがいいと思います。
ただ、患者さんの協力次第では、比較的長く自宅で看ることもできなくはありません。
この場合の協力とは、患者さんがどれだけデイサービスを利用してくれるか、ということです。
例えば、患者さんが週に6日デイサービスに行ってくれれば、家族はその間、仕事に行くことも休息をとることもできます。すると、生活はなんとか成り立ちます。
ところが、中にはどうしてもデイサービスに行こうとしない患者さんがいます。
80代のクロダのおばあちゃんが、その一人です。
朝になってデイのお迎えが来る頃になると、毎朝のように「おなかが痛い」「気分が悪い」とぐずって、布団にもぐりこんでしまいます。わがままな様子は、まるで通園や通学を嫌がる子どものようです。
こうなると、「本当はおばあちゃんにデイに行ってもらいたいけれど、本人が嫌がってるから、無理して行かせるのもね……」とご家族はデイに預けることをためらってしまいます。
でも、ここは躊躇しないでほしいのです。
デイに行くことは、ご家族のためでもありますが、何より、患者さんのためだからです。
デイに行って多くの方と接すると、ほどよい刺激を受けますから、体も頭も家にいるよりずっとシャッキリします。気分転換にもなりますから、行けば行ったで、わりに楽しんで帰ってくる患者さんも多いものです。
そもそも、家族が通常の生活を営み、生計が立つからこそ、患者さんの生活を守ることができます。
ですから、ご家族としては、「本人のため」と思って、心を鬼にしてデイに送り出してください。
患者さんだって家族の一員ですから、家庭生活を回すことに、しっかり協力してもらいましょう。