すぐそばにある「いいこと」の方へ
たしかに、母の体調のことは、私がいくらもんもんと考えても、改善するわけではありません。
だったら、コーヒーがおいしくはいったことに感謝して、顔をあげて、にこやかに一日を送る方がいい。
そして、元気な声で実家に電話する方がずっといい。そう自分に言い聞かせています。
以前、ライター塾サロンのメンバーの松山美由紀さんに教えてもらった言葉に、「幸せな方の椅子に座る」というものがあります。
悲しいことが起こっても、縁側の光は美しいし、困ったことがあっても、コーヒーはおいしい。
だから、悲しさや悩みにひきずられすぎないように、暮らしの中の小さな「いいこと」の方に顔を向けられたらいいなあと思います。
※本稿は、『明るい方へ舵を切る練習』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『明るい方へ舵を切る練習』(著:一田憲子/大和書房)
ほんの少し、考え方の方向を変えるだけで、幸せな今日がやってくる。
ままならないことも多い日常を、いかにして機嫌よく乗り切っていくか。
「暮らしのおへそ」編集ディレクター・イチダさんが、
一年を通して暮らしの中での発見と工夫を綴った実践録。