股関節の形や悩みも人それぞれ
実は、変形性股関節症の患者の9割は女性という報告があります。この原因として、骨盤の形状の男女差もそのひとつと考えられています。女性の骨盤は、男性と比較して横広の形状をしています。
直立した場合、重心線はカラダの中心付近を通りますが、重心線との距離(モーメントアーム)が長いほど、関節の負荷は高くなります。そして、女性の横広の骨盤は、重心線と股関節との距離が男性より長くなり、負担が大きくなると推測されます。
また、大腿骨頭に対する寛骨臼(臼蓋)の被り方にも個人差があります。わかりやすくいえば、ボールの上の屋根のかかり具合のこと。被りが浅ければ、関節の接触面積が小さくなり、体重の負担が分散されにくくなります。
そのために、関節面の摩耗や炎症のリスクが高くなり、股関節疾患につながりやすくなります。逆に、被りが深いと動かしづらかったり、関節内で衝突(インピンジメント)を起こしたりするリスクがあります。
このように、股関節の形は人それぞれ。股関節の問題や悩みも個人によって異なってくるのです。