常に気になる同士でいたいから
小川 うちは夫が、節分とかクリスマス、お正月とか、そういうのをきっちりやりたいの。私は東京の人間なので知らなかったけど、結婚した年から、「節分に太巻き買(こ)うといてな」って言われて。
渡辺 うちもね、おばあちゃんがいるし、端午の節句には菖蒲湯、冬至には柚子湯とかやってる。家での決まりごとというか、家族が一緒にひとつのことをやるのって、すごく大事なことだと思う。
小川 小さなイザコザがあっても、一緒にやっているうちに、なんとなくほんわかムードになるし。夫婦二人きりになってもやってあげたいなと思う。
渡辺 うちは結婚33年、菜摘のところは結婚31年だよね。
小川 どちらも結婚記念日が10月で、そんなところも似てるね。結婚記念日には、レストランで食事をするのが恒例。そこに息子が加わったり、後輩芸人の子たちが集まってくれたりとか、毎年いろいろだけど。
渡辺 うちも結婚記念日は必ずやるね。今年も家族で食事会をして、妻に「よくぞ、これまで一緒にいてくれた」と感謝の弁を述べてきました。結婚記念日をちゃんとやっておくと、その後の1年間が楽に過ごせるのよ。(笑)
小川 誕生日より大事かもしれないね。
渡辺 33年のあいだにはいろいろあったし、ピンチはしょっちゅう。でも、「別れよう」と思ったことはないね。そこは向こうがガマンをしてきたんだろうけど。
小川 いろいろあるよね!
渡辺 読者のみなさんは、浮気のことを聞きたいのかな。(笑)
小川 私から言わせてもらうと、モテない男なんて魅力がない! この仕事をしていたらとくにそう。私はそれを覚悟して結婚しているのね。そして、なぜここまで夫婦として続いているかというと、大事にされてるんです。そんなことよりも何倍も幸せにしてもらっている。だから、揺るがないの。負け惜しみじゃないですよ。(笑)
渡辺 二人で乗り越えてきたこともいろいろあるからね。
小川 長男が赤ちゃんのとき、大病したりということがあって、そこを二人で乗り越えたりとか。ずっと積み重ねてきたものを崩そうとは思わない。まあ、向こうは「若いお姉ちゃんがええわ」と思ってるかもしれないけれど。(笑)
渡辺 「理想通りにやってきた」「何事もなかった」のもいいんだろうけど、なかなかそうはいかない。美化するつもりはないけれど、夫婦はいろいろなことに直面してきた“戦友”だからね。一緒に戦ってきたから、ケンカをしながらでももう離れられない。それに、ガチャガチャやりあっているのも、まだ相手に興味があるからでね。
小川 常に気になる同士ではいたいなあと思う。今でも出かける前に「こっちの服とこっちの服、どっちがええ?」と聞いてくることがある。「そっちの茶色ね」「アホか、こっちの黒や」。じゃ聞くなよ! と思うけど(笑)。そんなふうに、ちょっとしたことでも相手の気持ちを聞いたりね。