これからが夫婦の第二ステージ
渡辺 このあいだ郁恵が携帯電話をガラケーからスマホに替えたのよ。操作方法がわからないというので、俺がソファでいろいろ設定してたら、「教えてよ」と。気づけば、二人、ぴったりくっついて座ってる。老眼で覗き込んでたんだろうけど、「何年ぶりだ、こんなに密着するの」って思って、ものすごく緊張しちゃったよ。(笑)
小川 わかるわ~(笑)。子どもたちも独立して、これからが夫婦としての第二のステージよね。このあいだ夫から、この先こうしたいというのを聞かされて。「私はあなたが何を選ぼうと、ついていくし、全面的に協力する」と言ったら、「おまえはやりたかった舞台を続けるんやろ。俺もいくらでも協力してやる」と言ってくれて。お互いに健康なうちに、残りの人生、してみたかったことを悔いなくできるよう、サポートしあえればね。
渡辺 結婚記念日に、いつもは花を贈るけど、30周年のとき、郁恵がずっとやりたいと言っていた絵本の読み聞かせの会を企画し、会場を借りて催す、というのをプレゼントにしたの。彼女自身もスタッフ会議に参加して、すごく喜んでくれた。それで、今度は二人で何か企画したものをやりたいなあと。
小川 うわぁ、ステキ。
渡辺 俺自身は自分のやりたいことをやってきたし、これからはパートナーのやりたいことに力を貸し、それを形にしていくことに重きを置いてもいいかなと思ってる。
小川 それも、私たちの年代になってからの、夫婦がうまくやっていくコツなのかもしれないね。