小林さんいわく、長期で資産形成を行うためには預金ではなく投資に目を向けたほうがいいそうで――(写真提供:Photo AC)
岸田文雄首相が推し進めている「資産所得倍増プラン」。2024年からはNISAの制度が新しくなるなど、貯蓄から投資へのシフトを促すさまざまな施策が行われていますが、元東京国税局職員の小林義崇さんは「知らない間にあなたはお金で失敗している!」と主張しています。国の資産を扱ってきた小林さんだからこそわかる、いま一番安心なお金の増やし方とは。その小林さんいわく、長期で資産形成を行うためには預金ではなく投資に目を向けたほうがいいそうで――。

預金だけでお金は増やせない

私が相続税の申告書チェックや税務調査を行っていて知ったのは、預貯金だけで億単位の財産を築ける人はほぼいないということです。

株式や投資信託、貸付用不動産といったように、何かしらの投資を行っている人が大半で、投資から得る運用益から多額の資産を築いていました。

日本は世界的に見ても資産に占める現金・預金の割合が高い国です。

政府は「預金から資産形成へ」とのスローガンのもと投資を促していますが、今も預金の割合が高い状況は変わっていません。

海外と比べた家計の金融資産構成<『元東京国税局職員が教えるお金の基本』より>
POINT
日本人はおよそ半分もの額を現金で保有。一方、海外、特に米国はほとんどが株式等の金融商品で保有されていて、預金はわずかなのです。