私たち親と暮らせる時間はあと3年!?
未来に希望満ち満ち溢れ…。
キラッキラの自分しか未来に思い描くことなく、駆け足でとっとと福岡の家を出て横浜にやって来た18歳・いずみ。朝私より先に仕事に出かける父は、あいさつに応えることなく一言も返さず家を出て行ったのを思い出したりする。
嫁に行くには早い歳だが、この跳ねっ返り娘、もう二度とこの家に戻って暮らすことはないだろうと、父はわかっていたのかもしれない。
そう考えると、
次男・瑛介も今年中学にあがるのだが、本人の希望で高校は地方に行きたいなどと言い出そうもんなら…私たち親と一緒に暮らせる時間は、あと3年しかないことになる。
嘘でしょ!?
まだ12歳の、今食べたミートソースが口の周りにべっとり付いてても平気な子が…あと3年でこの家から出るなんて。
それ以前に、
私たち親のほうにその覚悟ができるかどうか。
『無理無理無理無理無理…」
とてもじゃないが、これっぽっちだってウチの子が外に出て何でも一人でやって行ける予感なんて…。12歳でも15歳でも、18歳でも22歳だって心配だ。大半の親ごころというのはそういうもんだ。
バカボンの一家で言うところの「ハジメちゃん」なんて、ホントにいますかどこかに!?
でも、稀に家を出て何でもそつなくできてしまう子だったとしても、まずは、親の方が子どもの手を離してしまえる勇気が持てるかどうか。