(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第44回は「新しいスタートを切るあなたへ」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

前回「宝塚のモットー「清く正しく美しく」。退団し「すみれコード」で守られなくなっても座右の銘であることは変わらない」はこちら

未来のタカラジェンヌ達の春

テレビで音楽学校の合格発表のニュースを目にすると、春を感じます。
桜の下で合格を喜ぶ未来のタカラジェンヌ達。
服装も髪型も、すでに男役、娘役として出来上がっています。

毎年、そんな輝いている笑顔を見るたびに、
若かりし日の自分のことを、ぼんやりと思い出し思うのです。

私、よく受かったな、と。
(写真参照)

宝塚音楽学校の入学式。かれこれ32年前の写真です。

今の受験生達を見ていると、しっかりとした自分の目標があり、
そこに向かって何をしたらいいか、自分に足りないものは何か、
努力も惜しまず進む姿は本当にすごいなと思います。
きっと私以外の人はみんなそうやって受験に臨んだんだとは思いますが…。

私にもっと早くこういう気持ちがあったなら、
もっと違う人生だっただろうと思うのです。
もしかしたらスターを目指してたかもしれないし。
目指してなれるものではないですが…。