地元の家族やビジネスマンも訪れるホテルに
南紀白浜の高台にあるホテルのロビーを出ると、横幅が30メートルもある大足湯が広がった。境界線は絶景の海とつながっているように見える。
この「インフィニティ足湯」は、和歌山県白浜町にあるSHIRAHAMA KEY TERRACE HOTEL SEAMOREの華やかさと、目新しさを象徴する施設だ。
実は2018年から大改装に着手するまで、「ホテルシーモア」はもっぱら団体ツアーの顧客を受け入れる温泉ホテルだった。団体が同時に飲食できる大宴会場を多く備え、部屋割りも大人数を効率的に収容するレイアウト。巨大な建物は古さも目立っていた。
それが今は、スタイリッシュなスイートルームやベーカリー、シミュレーションゴルフ、ボルダリング、ワーケーション施設などを完備し、インバウンドを含む家族・グループ客に加え、地元の住民やビジネスマンでにぎわう。
同ホテルを経営する白浜館グループが、「第二の創業」とも呼ぶ改装に踏み切った背景には、旅のかたちが団体から個人へと大きくシフトするという、観光業における潮流変化がある。