今日動かなければ一生後悔すると

バイト生活に切り替えた数か月。何かをしていれば気が紛れたし、何かをしたぶんだけお給料になる。

生活をする意味でも、そして私が私でいられる意味でも、あの数か月はとても貴重だったし、選択してよかったといまだに思います。

一方。

このまま芸能界を辞めるのか。「消えたね」と言われて終えるのか。それとも、もう一度芸能界で勝負をしたいのか。

自分のプライドと向き合いながら、答えをずっと探していました。

記憶に残る2017年8月31日。その日は、翌日から夏休みをいただく予定でいて、バイト出勤最終日。

まぶしい晴天に背中を押されて、私はバイト先に電話をかけました。

「今日バイトを休ませてください。行きたい場所があるんです」

迷いませんでした。むしろ、今日動かなければ一生後悔すると思いました。

アポなしで、今会うべきあの方に会いにいこう。突然現れてみて、私の印象を感じてもらおう。

芸能界の商品として、その印象に魅力を感じてもらえれば戻してもらえるはず。

バイト先への電話を切ってすぐ、クローゼットへ駆け寄り、普段手に取らないきれいめのコーディネートを組み、髪の毛をきちんと整える。

さあ、行こう!