「13年間の奴隷」と書かれて
振り返れば、お給料は2人目妊娠で切迫早産の入院中に半額になり、そのお給料も未払い状態。
直後に出た女性週刊誌には「西山茉希、13年間もの奴隷契約」の見出しが躍り、その日を境に、私は世間から好奇の目で見られ、連日マスコミに追われることになりました。
18歳からの13年間、がむしゃらに闘って走ってきたこの道を、「奴隷」と2文字で記され、私のすべてがなくなっていくようでした。
差し伸べられる手は、世間に届かぬ闇におびえて震えていたから握れなかったし、腫れ物に触れるかのようなやさしさの目が届いても顔を背けるしかなかった。
賢くないこの頭は、自分の心を守ることに必死でした。