空想の世界にハマる女

山本 主人公のレナレナは、20代くらいの女の子なのですが、ずっとこのような風変わりなことばかりしています。雨でお茶を入れたり、ミミズの引っ越しを手伝ったり……。1986年の本ですが今読んでも新鮮で、「大人だって変なことをしていいんだ」「たまにはレナレナしたい」と思える本です。

そして次に紹介したいのは、『なみにきをつけて、シャーリー』(ジョン・バーニンガム作/へんみまさなお訳/ほるぷ出版)です。これは『女子マンガに答えがある』の分類で言うならば「ハマる女」だと思っています。

トミヤマ ページの右側と左側で、まったく違うシチュエーションが描かれていますね。

山本 シャーリーは両親と海に出かけて、空想の中で大冒険をするんです。大人たちがただ座ってお茶を飲んでいる間に、シャーリーは海賊と戦って財宝を手に入れちゃう。

絵の描き方にも差があって、大人の世界は静的ですが、大冒険しているシャーリーの世界はカラフルな絵具で生き生きと描かれていて。

トミヤマ なるほど。シャーリーは空想の世界にハマる女なんですね。ある意味、ハマることの尊さを描いた絵本というか。