昼のいずれのコースでもいただける八寸(2人前)。5月は端午の節句と新緑をテーマに、鰻ちまき寿司、鯛の子木の芽ゼリー、蛍いかとわけぎの酢味噌がけ、生うにと菜の花のからし漬け、柏餅に見立てた生麩、じゃがいもチーズ蒸しなどが盛り合わせに

季節や旬を盛り込む八寸を目当てに

興福寺や猿沢池からほど近い好立地に惹かれ、店を始めたのが2019年9月。今年4月からは1種類だった昼のコースが3種類となり、ランチしか来られない人の選択肢が増えた。毎月替わる献立の中で最も印象的なのが、コース半ばに登場するこの八寸。

通常の料理の数倍の手間をかけ、お客様の目の前で盛りつけながら完成させていく。およそ10品の料理をはしり、旬、名残りの食材で表現し、「この一品で奈良の季節や景色を楽しんでもらえたら」とは、店主の岡田直己さん。

16年勤めた大阪の人気割烹「桝田」の看板メニューである八寸をリスペクトしながらも、自分らしさや奈良らしさを取り入れており、器も毎月ガラリと替えている。

野菜の多くは奈良産で、農家に出向いて仕入れたものもある。さらにこだわっているのが魚。「奈良は海がないので魚はいまひとつと思われがちですが、絶対の自信があります」。

7000円のコースは7品で、他の2コースは焼き物や和菓子も付く。いずれも抹茶で締めくくり、奈良の口福を堪能できる。

【テイクアウト】棒寿司は季節で魚が替わり、穴子棒寿司は通年対応で1本3500円~(仕入れによって値段は変動)。しっとりふんわりと炊き上げた煮穴子と海苔を混ぜ込んだすし飯に、自家製の実山椒の味噌漬けがかかる。2日前までに要予約。他に鯛や鱧、鯖などの棒寿司がある。ご飯のお供として提供している、甘さ控えめの「ちりめん山椒」は常時テイクアウト可能。1パック1500円