小林さん「ゆっくり動くと自律神経のバランスがよくなる」と言いますが――(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
ようやくコロナ禍があけようとしているなか、体調不良や孤独感がいつのまにか私たちをむしばんでいます。乱れがちになっている心と身体を整えるために大事になるのが、自律神経を整える毎日のちょっとした習慣。「自律神経が整うとすべてがうまくいく!」と語るのは、自律神経研究の名医であり、順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生。その小林先生曰く「ゆっくり動くと自律神経のバランスがよくなる」とのことですが――。

自律神経の働きとは

自律神経とは、ひと言でいえば、「わたしたちの生命活動を24時間365日休みなく支えつづけてくれているもの」です。

わたしたちが眠っているときでも心臓はちゃんと動いているように、人間の内臓や血管というのは、特別に意識しなくても自律的に働いてくれています。

それは、この自律神経の働きのおかげなのです。

自律神経は、体を活発化させる交感神経とリラックスさせる副交感神経というふたつの機能をもつ神経です。

人間にとって理想的なのは、体内の交感神経と副交感神経がともに高いレベルで活動し、なおかつ両方のバランスがとれている状態をいいます。

簡単にいうと、交感神経が体を支配すると体はアクティブな状態になり、副交感神経が支配すると体はリラックスした状態になります。