ため息のススメ

よく「ため息をつくと幸せが逃げる」といわれますが、自律神経的にみると、じつはため息とは、とてもいいものなのです。

なぜなら、悩みや心配事にとらわれているとき、わたしたちはついしっかりと呼吸することを忘れがちになります。

悩みや心配事にとらわれているとき、わたしたちはついしっかりと呼吸することを忘れがちになります(写真提供:Photo AC)

もっといえば、無意識に止まっていることが多いのです。

すると、呼吸はどんどん浅くなっていき、血流がとどこおって体のすみずみにまで酸素が行きわたらなくなります。

そして交感神経が無用に高まることで、自律神経のみだれにつながる悪循環へと入っていきます。

つまり、ますます心配事をかかえやすい状態になってしまうわけです。

そんなときに「はあ……」と息をゆっくり長く吐くことは、疲労やストレスからとどこおってしまっていた血流をよくし、副交感神経の働きを高め、自律神経のみだれをもとにもどしてくれる。

つまり、ため息とは、人間の肉体がもっているすばらしい自浄作用なのです。