今、世界的な問題になっている「食品ロス」。使い切れずに捨てられた食材が、地球環境の負荷になっています。いますぐ家庭でできる取り組みをはじめてみませんか?(構成◎内山靖子 イラスト◎オオカワアヤ)
1人あたり年間41kg捨てている
ここ数年、「食品ロス」を減らすための取り組みが盛んに行われるようになりました。コンビニの「てまえどり」キャンペーンや、自治体などが主催するフードバンクもその一環です。
そもそも「食品ロス」とは、まだ食べられる食品が廃棄されてしまうこと。たとえば、1袋5本入りのキュウリのうち、2本を捨ててしまったら「食品ロス」。食用に不向きなバナナの皮や魚の骨を捨てるのは該当しませんが、調理すれば食べられる長ネギの緑色の部分を捨てたら「食品ロス」です。
こうして、「食べられるのに捨てられてしまった食品」が、日本国内で年間522万(2020年度)に上ります。国民1人あたりに換算すると、1年で約41kg。金額に置き換えると、4人家族で年間平均6万円もの食品を捨てている計算です(京都市試算)。その522万tのうち、食品加工会社やレストランといった事業者からの分が275万t、家庭からの分が247万t。家庭からの「食品ロス」が全体の約半分を占めているのです。