日本の生産界の正念場

日本に目を転じれば、2019年にディープインパクトが死に、ひとつの時代が終わりました。

そしてまた新たな時代が始まりましたが、私はその「新たな時代」は、日本の生産界の正念場のような気がしてなりません。

私はその「新たな時代」は、日本の生産界の正念場のような気がしてなりません(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

至宝種牡馬がいなくなったからではありません。

彼の死はほんの少し早かったものの、いつまでも種牡馬として現役でいられるわけではありませんでしたし、こればかりは多少の時差があったということにすぎません。

私が「正念場」と思っているのは、あまり不安を煽りたくはないものの、1世紀前の、俗に言われる「セントサイモンの悲劇」のフラッシュバックのごとく、もしかしたらここからが新たな悲劇の開演ではないかと、彼の死をもって感じ始めているからです。

それは、今日の競馬サークルにおけるリスク感覚の稀薄化を切に感じるからです。