2022年の敬老の日の発表によると、日本人の9.9%が80歳以上だそうです。人々の栄養状態がよくなり、医療の発達もあって、個人差は大きいものの、元気な高齢者が増えています。「実は年齢というのは意外に意味のないもの」と語るのは、老年医学を専門とする精神科医・和田秀樹先生。和田先生いわく「『年甲斐もない人』が羨ましがられる時代になっている」そうで――。
一歳の差を強調する人
高校時代の同級会などで、昔の友人が揃うとかならず齢の話が出てきます。
同級生だから年齢は同じです。
ただ誕生日が来たか来ないかの差で満年齢が違ってくるので、一歳の差があります。
変な話ですが、この一歳の差を強調する人がいるらしいです。
「オレは先月で80歳になったよ、まだ元気なつもりだけど、いつ何があってもおかしくない齢だな」
相手がまだ誕生日前の79歳と知ると、たった1歳の違い(正確には一か月だったり数日だったりします)なのに上から目線になるのだそうです。
同級会でこうですから、さまざまな年齢が集まる卒業生の同窓会ともなると大変です。
70歳は60代に威張り、80歳が70代に威張り、90歳が80代に威張ります。
「君たちはまだ若くて羨ましいな」と口先だけは低姿勢ですが、「いまに老いのつらさを思い知るだろう」とどこか偉そうです。
こういうのは相手にしなくていいです。
ただ年齢を重ねているだけならいまの世の中、いくらでも高齢者はいます。
90歳が威張ったところで100歳にせせら笑われるだけです。