「一人ぼっち」というのはあり得ない
それからまるっきり一人になってもそのままではありません。
いったん周囲の人間関係が消えてしまうということで、新しい友人ができたりいままでなかった場所に新しい人間関係が生まれてきます。
組織に縛られない仕事やボランティア、自分で考えて生み出す収入の道でも、お互いを拘束しないで張り合いを共有し合う関係が生まれることになります。
とにかく自宅に閉じこもって一人で暮らさない限り、そこに何らかの人間関係は生まれてくるのですから、「一人ぼっち」というのはあり得ません。
むしろ友人の数や人脈の広さを自慢にして、その中だけで生きてきた人のほうが「一人ぼっち」になりがちでしょう。
高齢になればどうしても友人の数も人脈も乏しくなってくるからです。
老いればどうせいつかは孤独になります。
その孤独がもたらす自由の気楽さを恐れるより、組織や人間関係に縛られない生き方を少しずつ実践していく気持ちになってください。
※本稿は、『心が老いない生き方 - 年齢呪縛をふりほどけ! - 』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。
『心が老いない生き方 - 年齢呪縛をふりほどけ! - 』(著:和田秀樹/ワニブックスPLUS新書)
「年齢呪縛」にかかると何事にも慎重になって自分にブレーキをかけるようになる。
すると心の自由も行動の自由もどんどん奪われる。
結果、老いが固定され、年齢通りの高齢者になってしまう。
当然、見た目の若々しさや溌溂さも消え、日々の暮らしに楽しみもなくなっていく……。こういう状態が「心の老い」だ。
本書では、心の自由を取り戻し、高齢期の自由な時間をワクワクして生きるための方法を、「高齢者専門の精神科医」がお教えします!