イラスト:小林マキ
じめじめした梅雨の時期は、胃腸の調子を崩しやすくなります。食欲がわかない、だるい、疲れるなどの体調不良を起こしがち。胃腸を元気に整える秘訣を紹介します (イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

水溶性食物繊維をとってぜん動運動を促して

理想的な腸内細菌のバランスは、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7といわれますが、意識しないと善玉菌はなかなか増えないそう。

「患者さんの腸内細菌を調べてみると、善玉菌がまったくいないという人が少なくありません。たんぱく質は悪玉菌の格好のエサになるため、肉類を多く食べる現代の食生活ではどうしても悪玉菌が増えがち。善玉菌のエサとなる食品を積極的にとることが肝心です」

ポイントの一つは前述したとおり、水溶性食物繊維。

「食物繊維がお腹にいいことは皆さんご存じでしょう。一口に食物繊維といっても不溶性と水溶性の2種類があり、不溶性は便を形づくるという点から必要なものですが、善玉菌はあまり好物ではありません。一方、水溶性は善玉菌のエサとなり善玉菌の増殖を助けますから、水溶性食物繊維のほうを積極的にとるよう意識しましょう」

腸活というと、とかく食事ばかりに目がいきがちですが、腸の動きを促すことも重要、と川本先生は強調します。

「悪いものをスムーズに出して、よいものが育ちやすい環境を作るためには、食物を腸の先へ先へと送り出すぜん動運動が大切。ぜん動運動は自律神経がコントロールしていますが、加齢によってその動きは弱まりますから、軽い運動やエクササイズで刺激して、動きを促進させましょう」

次回は、腸の働きを活性化させる食事やエクササイズを紹介します。