2021年2月2日

2日
節分です。年と同じだけ豆を数えてみたらぎょうさんありました。わお、両手にいっぱい。100歳ということを思い知らされました。

この豆の粒が一年一年だと思うと、いとおしゅうなります。

9日
うちの台所は土間だから誰でも靴のまま気安く入ってもらえます。近所の人たちとは、ここに椅子を並べておしゃべりするの。父が80年前に作ってくれたミシン用の椅子もあります。

これはね、お嫁に来る時、大切に持ってきた椅子なんです。ミシンは壊れてしもうたが、椅子は踏み台にしたり茶飲み椅子にしたり今でも現役です。

父の形見じゃけん捨てられんのです。

10日
水曜日はデイサービスの日です。通い始めてまだ8カ月ほど。他の皆さんは私より若いんじゃろうけど、私は新入りです。朝は「おはよう、おはよう」ってみんなにあいさつして、歌も人一倍大きな声で歌うん。体操も思い切りやっとります。皆さんが笑顔で応えてくれるとうれしいです。

ここではお風呂も楽しみです。去年までは家で五右衛門風呂を薪で沸かして入っていたんですが、今はここで入浴させてもらいます。シュワシュワ出る泡が気持ちええんです。

『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』(著:石井哲代、中国新聞社/文藝春秋)