生き方上手になる五つの心得

一、物事は表裏一体。良いほうに考える

物事には必ず表と裏があります。ほら、おばあさんの手を見てごらんなさい。手の甲はしわしわですが、ひっくり返せばつるつるです。一方向から見るだけでは分かりません。例えば受験に失敗して本命じゃない学校に行ったとしても、そこで生涯の友に出会えるかもしれんでしょう。

失敗もひっくり返して、良いほうに考えるんです。失敗にとらわれてばかりじゃ劣等感に包まれて人生が曲がってしまう。人間がこもう(小さく)なってしまいます。失敗は通過点で、いくらでもやり直せる。あれは成功じゃったと思える日がきっときます。

『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』(著:石井哲代、中国新聞社/文藝春秋)

二、喜びの表現は大きく

うれしいな、ありがとうという気持ちを相手に伝えようと思えば自然にオーバーアクションになります。

普段、姪の直ちゃんがおかずを差し入れてくれたり、ご近所さんがお掃除を手伝ってくれたりすることも多いんです。一人の寂しさを知ってるからでしょうかなあ。本当にありがたい。いつも「わおわお」って大喜びしています。

年寄りが機嫌を悪うして怒りっぽくなるのはいけんと思います。年寄りは若い人の見本にならんといけん。ああ、老いても楽しそうだなあって思ってもらえるよう、にこやかに。

社会のムードメーカーっていうんでしょうか。同じ一生じゃから縮こまったりうつむいたりせず、伸びやかに過ごしたいです。